先生と私


8.2001年の作品『花』に関して

 旅行中に起きた里中大次先生宅の罹災について、お見舞い申し上げます。里中先生と、お客様の命が無事であったと聞いて、胸を撫で下ろしております。
 華山の元に、里中先生宅に寄贈させて頂いた作品『花(2001年)』を心配するメールを多く受けております。残念ながら、『花』は画の半分以上を焼失しており、修復は難しいと判断しました。
 華山もこの一報を受け、『花』に代わる新たな作品をお見舞いとして贈ることになりました。一般公開に関しては不明ですが、鳳先生と玉手君のホームページで紹介されると思います。
 先の報道等で『花』の消失について心痛められた皆様にもお礼申し上げます。
 
 『花』は天と地が逆になった自分が見ている世界の不安定を描いた作品で、現実への不安とあり得ない風景への幻想を抱かせます。里中先生がこの作品を購入することを決めたのは、連載していた作品が賞をとり、連続ドラマになり、映画化されることが決まった時だったそうです。
 その時に『花』という不穏な画を購入したのは、天地がひっくり返るような不幸は周囲にいることを忘れてはならない。そして『花』の中に描かれた幻想が不安を感じさせるから、と手元に置くことを決意したのだそうです。

 『花』は残念なことになりましたが、華山先生は以前傷ついた『紫(2018年)』の修正の際、「画はいつか劣化するから」とハッキリと言いました。「描ける内に描くだけだ」とも。皆様もゆっくり休んで元気を取り戻しましたら、里中先生の原作を映画化した『空を飛ぶ鮫』が来春公開予定だそうです。私と華山先生は12月24日に予定されているプレミア上映にお邪魔します。
 
 この文を書いている今、私は華山先生に呼ばれ、里中先生のお見舞いに行くことになりました。本日の記事はこの辺で失礼します。
 里中先生の屋敷は山の手市から遠いところにありますので、また数日お休み戴くことになると思います。申し訳ございません。

2019/09/18

<<前 目次 先生と私 次>>



↑戻る